ホームページのサービス終了対策は、住所にあたる独自ドメインを自分で管理し、本文と画像をサービスの外へ保存し、別の場所で使えるか試すことです。バックアップには本文だけでなく画像・添付ファイルの本体とページのURL(アドレス)一覧も必要です。移行先を決める前でも、手元の原本整理と契約・管理者の確認は始められます。

終了告知を見たら、移行先より先に確認すること

CMSは、記事やお知らせを管理する仕組みです。CMSやホームページ作成サービスの終了では、「更新できる期限」「閲覧できる期限」「データを取り出せる期限」が同じとは限りません。

Ameba Owndの公式告知では、2026年12月24日11:00に終了し、その後の復元はできません。11月2日13:00からは閲覧のみとなり、プレミアム課金も停止します。エクスポートは11月中に提供開始予定で、方法など詳細は11月中に案内される予定です。返金は申請不要で、12月中に処理されます。BASE連携ショップを使う場合は、同告知の公開設定も確認してください。

一方、ヘッドレスCMSのNewtも終了を告知しています。公式FAQの終了時刻は2026年11月24日13:59で、管理画面とAPIが使えなくなります。APIは、サイトがCMSから記事などを受け取るための窓口です。

両者はサービスの作りが異なります。終了後も使えるデータを自分で確保する必要がある、という共通点から備えを考えます。個別の作業はAmeba Owndの終了チェックリストとNewtの終了チェックリストに分けています。

1. 独自ドメインの契約と管理権限を手元に置く

独自ドメインは、自分で契約するサイトの住所です。ドメインを管理する会社へのログイン方法、契約者、更新期限、支払い方法を確認します。制作会社に任せている場合も、誰が契約し、担当者が変わっても設定を変更できるかを記録してください。

DNSは、その住所をどのサーバー(サイトを公開する場所)へ案内するかを決める設定です。独自ドメインを保有していれば、移行先が対応していることを確認したうえで案内先を切り替えられます。ただし本文や画像が移るわけではなく、ドメインの更新費用も別に続きます。

Ameba Owndのドメイン案内は、終了時刻までにドメイン管理会社でDNSを変更するよう求めています。新サイトを準備してから切り替え、同じドメインのメール用設定は変更・削除しないよう案内しています。反映には24時間程度かかる場合があるため、締め切り直前を避けます。

同じドメインでも、記事ごとのURLが変わると古いリンクはそのまま使えません。旧URLと新URLの対応表を作り、必要な転送を移行先で設定します。サービスが提供するサブドメインは自分の契約する住所とは異なるため、終了後に自由に転送できるとは考えないでください。

2. コンテンツのバックアップは本文・画像・設定を分ける

エクスポートは、管理しているデータをファイルに書き出す操作です。インポートは、そのファイルを別の管理画面などへ取り込む操作です。書き出せることと、同じ見た目・機能で復元できることは別に確認します。

保存するもの

残しておく内容

確認方法

本文・記事情報

見出し、本文、公開日、カテゴリ、下書き

ファイルを開き、記事一覧と件数を照合

画像・添付ファイル

写真、ロゴ、PDFなどの本体

保存したファイルを実際に開く

URLの対応

旧URL、記事ID、新URL

主要なリンクを移行先で確認

入力項目と表示

必須項目、メニュー構成、表示例

設定メモと画面の画像を残す

外部の機能

フォーム、予約、ショップなどの契約と設定

担当者と移行先での動作確認を決める

画像のURLはファイルの置き場所を示すだけで、画像そのものではありません。本文に画像のリンクが残っていても、配信元が止まれば表示できなくなる場合があります。元の写真やロゴはCMSへ入れる前から別に保存し、どの記事で使うかも記録します。

制作中の原稿や、公開前の変更も対象にします。画面の画像やPDFは見た目の記録には使えますが、編集可能な本文や画像原本の代わりにはなりません。問い合わせ情報や非公開原稿を含む退避物は、担当者だけが開ける場所に保管してください。

Newtの公式エクスポート案内では、本文はAPI、画像などのファイルはZIP、フォーム投稿はCSVと取り出し方が分かれます。ZIPはファイルをまとめて圧縮する形式、CSVは表形式、JSONは項目の構造を保てるデータ形式です。「一度ダウンロードしたから全部保存できた」とせず、対象ごとに確認します。

3. 定期的に書き出し、少量でも復元を試す

保存の頻度は、失っても取り戻せる作業量で決めます。運用例として、週1回更新するサイトなら更新後に本文と追加画像を保存し、月1回は件数と保存先を点検します。重要な改修や一括更新の前にも書き出します。これはサービス側の推奨間隔ではなく、チームで決める例です。

保存先は元のCMSと分け、日付ごとのファイルを残します。最新の書き出しで上書きし続けると、誤って消した記事までバックアップから消えるためです。制作会社のパソコンだけに置かず、サイト運営者がアクセスできる保管先も用意します。

確認は「ダウンロード完了」で終えません。たとえば本文、画像、カテゴリを含む記事を数件選び、別の確認用環境で表示します。画像の参照先が旧サービスのままではないか、下書きが公開されていないかも見ます。担当者以外が保存ファイルと手順を見て再現できれば、引き継ぎにも役立ちます。

4. 次のCMSは「出口」を試してから選ぶ

編集画面の使いやすさと同じくらい、取り出せる範囲を確認します。候補の公式資料を読み、分からない部分は契約前に問い合わせます。

  • 本文、下書き、画像本体、カテゴリ、入力項目の設定を取り出せますか。

  • 書き出しに必要なプラン・権限・費用と、件数・容量の上限は何ですか。

  • ファイルは一般的なソフトで開けますか。別のCMS向けに変換が必要ですか。

  • 解約や終了時に、いつまで取り出せますか。

  • デザイン、フォーム、検索などは別途作り直す必要がありますか。

genko.meも候補の一つです。公式ドキュメントではコンテンツのCSV・JSON書き出しと取り込み、入力項目の定義のJSON書き出しに対応します。書き出しは10MBまで、取り込みは1ファイル10MB・1回1,000件までです。画像・添付ファイルの本体や編集履歴は書き出しに含みません。取り込みでも元の公開状態・作成日時・公開予約などはそのまま復元されません。

NewtのJSONと画像ZIPを使う取り込みもありますが、PDFなど画像以外のファイルや参照関係は移行しません。Newtからの移行手順も確認してください。genko.meを含め、どのCMSにも終了の可能性はあります。移行機能があっても、原本の保管と復元確認は続けます。

5. 本文と表示を分けるかは、保守できる体制で決める

ヘッドレスCMSは、本文や画像の管理と、それを見せるサイトを分ける方式です。CMSからAPIで記事を受け取り、別に用意したサイトに表示します。表示側を保ちながら管理先を変更する設計もできますが、項目の変換や画像の移し替え、動作確認は必要です。

向いている方式

選びやすい状況

費用と担当の確認

サイト作成サービス

少人数でテンプレートを使い、自分で公開・更新したい

利用料と出口を確認し、書き出しを運用に含める

ヘッドレスCMS

独自の表示や複数のサイトがあり、制作・保守の担当がいる

CMSに加え、サイト制作、公開サーバー、保守が必要

ヘッドレスCMSを契約するだけで完成したホームページが用意されるわけではありません。小さな店舗案内や数ページのサイトで、開発担当がいないなら、書き出しを確認できるシンプルな作成サービスのほうが運用しやすい場合があります。

制作を依頼するときは、納品物に「サイトのソースコード」「画像原本」「ドメインと公開先の管理権限」「コンテンツの書き出し」「他社へ移すときの作業と費用」を含めるか相談します。CMSを替える費用だけでなく、本文と表示をつなぐ部分を誰が保守するかまで決めてください。

よくある質問

サービス終了が決まったら、最初に何をしますか?

公式告知で閲覧・更新・書き出しの期限を分けて確認します。そのうえで原稿と画像原本、URL一覧、ドメインの契約情報を確保し、移行担当と日程を決めます。

独自ドメインがあれば、移行は不要ですか?

独自ドメインで維持できるのは住所です。本文、画像、画面、フォームは別に移します。同じ住所でも記事のURLが変わるなら、転送の確認が必要です。

CSVやJSONだけでバックアップは十分ですか?

ファイルに画像本体や入力項目、下書きまで含まれるかで変わります。元画像と設定も保存し、別の環境で記事を表示できるか試してください。

ヘッドレスCMSに替えれば、次の終了にも困りませんか?

管理と表示を分ける選択肢ですが、終了を防ぐ保証ではありません。データの退避、画像の配信先、サイト側の変更と保守を担当できる体制が必要です。