本記事は、サービス選びの参考として、公開情報をもとに違いを整理したものです。特定の企業やサービスを否定する意図はありません。適したサービスは、用途や運用体制によって異なります。
ヘッドレスCMSを選ぶとき、月額料金だけでは判断しきれません。無料枠で何人まで編集できるか、記事の種類を増やすと費用が変わるか、画像をどれだけ保存できるか。運用を始めた後に効いてくるのは、こうした条件です。
microCMSとgenko.meは、どちらも原稿を管理画面で編集し、APIを通して自分のサイトに表示するためのサービスです。この記事では、ブログやお知らせを運営する際の選び方を整理します。
本記事はgenko.meの運営側が執筆しています。料金・上限は2026年10月6日時点のmicroCMS公式料金表とgenko.meの料金プランと上限に基づきます。契約前には、それぞれの最新の条件をご確認ください。
まずは、編集する人数とAPIの数で比べる
ここでいうAPIの数は、リクエストを送る回数ではありません。「ブログ」「お知らせ」「導入事例」のように、コンテンツを管理する入れ物をいくつ作るか、という数です。
項目 | microCMS Hobby | microCMS Team | genko.me Free | genko.me Plus |
|---|---|---|---|---|
月額 | 無料 | 4,900円〜(税抜) | 無料 | 980円(税込/契約) |
メンバー数 | 3名まで | 3名。追加は1名あたり月額1,200円(税抜) | 3名まで | 10名まで |
APIの数 | 5個まで | 10個。追加は1個あたり月額2,000円(税抜) | 本数による上限なし | 本数による上限なし |
保存容量 | メディア容量は無制限 | メディア容量は無制限 | 原稿・メディア合計5GB(共有条件あり) | 原稿・メディア合計30GB(共有条件あり) |
転送量 | 月20GB(超えるとAPIが停止) | 月200GB(超過は1GBあたり20円) | 公正利用の範囲 | 公正利用の範囲 |
保存容量の行は、同じ対象を数えているわけではありません。microCMSの欄はメディアの保存容量、genko.meの欄は原稿とメディアの合計です。API数に上限がなくても、genko.meでは保存容量や配信APIのレート制限が別にあります。
genko.meのメンバー上限にはオーナーも含まれます。さらに大きな体制向けに、30名・100GBまでのPro(月額4,980円・税込)があり、それを超える利用はお問い合わせが必要です。「人数に応じた追加課金がない」ことと、「人数が無制限」であることは異なります。
3人で始める場合と、5人で運営する場合
3人で、少数のAPIから始める場合は、どちらも無料で始められます。違いは、microCMS HobbyはAPIが5個まで・転送量が月20GBまで、genko.me Freeは原稿とメディアの合計が5GBまで、という点です。扱うAPIの数と、画像をどれだけ置くかで向き不向きが分かれます。
5人で、8個のAPIを運営する場合、microCMS Teamは基本料金4,900円に2名分の追加料金2,400円を加え、月額7,300円(税抜)です。genko.meは1つのPlusチームで人数の上限内に収まり、月額980円(税込)です。これはメンバーとAPI数だけで計算した例で、転送量など他の条件や、必要な機能が同等であることまで示すものではありません。
画像が多いサイトは、保存容量を先に見積もる
genko.meでは、原稿本文と画像・添付ファイルを合わせて容量を計算します。Freeの5GBは、同じオーナーの個人ワークスペースと無料チームで共有する枠です。無料チームを作るたびに5GBずつ増えるわけではありません。
個人をPlus・Proにした場合の容量も、そのオーナーの無料チームと共有します。ただし、無料チームの人数上限や機能が変わるわけではありません。チーム自体をPlus・Proにすると、そのチーム専用の容量(30GB・100GB)を使えます。詳細は容量の共有ルールを確認してください。
画像を何年も蓄積するサイトや、大きなファイルを多く扱うサイトでは、現在のファイル総量と年間の増加量を見積もるのがおすすめです。genko.meの月額が低くても、必要な容量に収まらなければ選択肢として合いません。
また、保存容量と転送量は別です。genko.meの帯域・転送量は公正利用を前提とし、配信APIには1キーあたり毎分300リクエストの制限があります。アクセスの多いサイトでは、ページのキャッシュや画像の出し方も含めて設計します。無条件にあらゆる負荷を受けられる、という意味での無制限ではありません。
必要な機能と、運営体制も比べる
genko.meは、Freeでも画像変換、下書きプレビュー、予約公開、エクスポート、編集履歴の閲覧を利用できます。編集履歴からの復元はPlus以上の機能です。Next.js向けには、CLIで接続して一覧・詳細を表示する部品を提供しています。導入の流れはNext.jsでヘッドレスCMSを使うで確認できます。
一方、microCMSは上位プランにIP制限、複数環境管理、SAMLによるシングルサインオンなどを用意しています。これらが必須の案件では、該当プランの条件まで確認してください。genko.meの低価格なプランで同じ要件を満たせるとは限りません。
genko.meは個人で開発・運営しているサービスです。組織で採用する場合は、機能表に加えて、問い合わせへの対応、契約条件、障害時の連絡方法、データを取り出す手順が、自分たちの運用に合うかを確認してください。
契約前に、実際の記事で試す
比較表だけで決めるより、普段扱う原稿を1件ずつ入れてみる方が、合う・合わないを判断しやすくなります。
見出し、画像、リンクを含む記事を作り、編集しやすさを確認する。
自分のサイトに接続し、一覧・詳細・下書きプレビューを通してみる。
実際の編集人数と、今後増やすコンテンツの種類を当てはめる。
保存容量、配信量、必要な権限・契約条件を確認する。
コンテンツを書き出し、他の環境でも読める状態で保管できるか確かめる。
メディアを容量を気にせず置きたい、あるいは組織向けの管理要件があるなら、microCMSの各プランを具体的に検討する価値があります。少人数のブログやお知らせを運営し、genko.meの容量・人数・機能の範囲で収まるなら、genko.meも候補になります。
すでにmicroCMSを利用している場合は、料金差だけでなく、フィールドや画像の移し替え、サイト側の修正にかかる作業も含めて判断してください。対応範囲はmicroCMSからの移行ガイドにまとめています。
